リブラ舎の「この世」のしごと

編集ライター・リブラ舎です。本と雑誌、WEBもいろいろつくります。仕事履歴、日々の雑感を綴ります。

追悼 水木しげる先生

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柳田国男が「妖怪は零落した神である」と言ったように、

人間の「お願い」を聞いてくれるような、良い神様だけでは決してなく、
人間なんかお構いなしにそこに存在していて、個性豊かで、理不尽で、
お前らの都合になんか振り回されるものかと、勝手に出てくるのが妖怪で
その毒をもって、世界は人間のものではないのだと
お前ら何勘違いしてんだよと、人間の無力さに気づかせてくれる存在は絶対必要だと思う。
 


「幽霊」が、亡くなった一個人であり、個人的な恨みによって人に取り憑いたりするのは、人間のエゴであって、人間の範疇を越えていない。
妖怪は格が違う。やはり妖怪は神。
日本人が日本人らしく(謙虚で勤勉で)いられるのは、見えないものを恐れるから。妖怪のおかげではないか。
水木先生が亡くなって、もちろんとても悲しいけれど、
それ以上に心にぽっかり穴が空いたというか、不安や心細さを感じているのは、
日本から妖怪がいなくなってしまったらどうしよう、と思うからだ。
素晴らしい、日本が誇る、妖怪文化が、どうか無くなりませんよう。
愛すべきキャラクターの姿に変えて、私たちに妖怪の存在を教えてくれた水木先生。
思い返せば、鳥山石燕だったり、柳田国男だったり、その時代時代で、妖怪の存在を伝えてくれる「妖怪の使者」みたいな人は存在するのかもしれない。
今の子どもたちにとっての妖怪が、「妖怪ウォッチ」なのだとすると、水木先生に代わるのが、妖怪ウォッチということか。
水木先生は、後継者ができたから、安心してこの世を去ったのかな。
妖怪ウォッチをつくってるみなさん、頼みますよぉ。
ポケモン的商売の仕方を見ると、すごく不安だけど)

私は子どもの頃から妖怪が好きで、それは紛れもなく「ゲゲゲの鬼太郎」の影響で、
大人になってもまったく変わらずというかむしろエスカレートして
鬼太郎Tシャツ着て仕事して、鬼太郎エプロンつけて料理して、
妖怪検定受けて、Facebookのアイコンも鬼太郎で、妖怪本つくって。
あまりにも影響を受け過ぎていて、みんなが言ってる言葉だけど
「水木先生が死ぬなんて思わなかった」。なんでだろ。
あの世に取材に行かれたんですねとか、妖怪になられたんですねとか、
そんな風にまだ言えないほど悲しいけど、水木先生と同じ時代に生きられてよかったです。水木先生、ありがとうございました。

好きな妖怪ベスト5でも書いてみるか。
好きの基準は、まず想像してみることからはじまる。怖い、かわいい、かっこいいとか、なんでもいいので想像すること。

第5位 のっぺらぼう
(すれ違う人の顔がなかったら、シンプルに怖い。あるべきものがないことの怖さ)

第4位 すねこすり
(ふわーっとスネを何かがこすったような気がしたらすねこすりの仕業です。それだけ。会ったことある気がする)

第3位 サトリ
(人と話すとき、「この人私の心を読んでるんじゃないの」と思ったことは誰にでもあるはず。そんな心が生んだ妖怪。誰の前にも現れる)

第2位 がしゃどくろ
(超でっかい、屋根より高い骸骨を想像してみてください。歌川国芳の浮世絵がかっこよすぎる。進撃の巨人に通じますね)

第1位 牛鬼
(牛の頭に蜘蛛の体とか怖すぎる。それが海辺にいて、もぞもぞと蠢いているのです。怖いし最高)

ほんとはベスト50くらいまで書きたい。